ザ・スクープ・スペシャル

検証!終わりのない戦争
 〜知られざる被爆者達〜

今から60年前の8月、広島と長崎に落とされた原子爆弾
その犠牲者は20万人を越えたが、地獄絵はそれだけでは終わらなかった。
放射能に蝕まれ、後遺症に苦しむヒバクシャたち。

それから約20年後、ベトナムで散布された4400万リットルもの枯れ葉剤。
湾岸戦争イラク戦争で100万発以上投下された劣化ウラン弾

そこには広島、長崎とのある共通点がある。
戦争が終わっても果てることがない悲劇の連鎖…
ダイオキシンが、放射能が、環境や人体も含む生態系を汚染し、
その負の遺産終戦後も延々と受け継がれていくのである。

終戦後、ベトナムイラクの病院は、ガン・白血病患者や奇形の子供たちで
埋め尽くされていった。そして、恐るべき後遺症に見舞われたのは
戦争に参加した米軍の帰還兵やその子供たちも同様であった。

そして、食物連鎖や親から子への汚染の遺伝によって悲劇は今なお続いている。
21世紀に入ってもベトナムで生まれ続ける先天性障害児。
また、イラクにばらまかれた劣化ウラン半減期は45億年であり、
その影響は未来永劫続くとさえ言われている。

アメリカは今も、劣化ウラン弾と続出する奇病の因果関係を否定しているが、
軍の極秘文書が「第二の枯れ葉剤」であったことを雄弁に物語る。
ベトナムイラク。2つの国で米軍が敢行した「環境破壊」を通じて、
半永久的に地球を汚染し、自国兵も含む人々の体を蝕むことをも厭わない
アメリカの正義」の正体に迫る。


第一部 ベトナム戦争終結から30年
  〜枯れ葉剤がベトナムに残したもの〜

今年4月30日、ベトナムサイゴン陥落30年を迎えた。
終戦後、目覚ましい経済成長を続けるベトナムだが、その一方で戦争の爪痕が
色濃く残っている。戦争中、ゲリラが潜むジャングルを一掃するために大量に散布された枯れ葉剤「エージェントオレンジ」。
その中には、わずか7グラムでニューヨーク中の人を殺せると言われる猛毒
ダイオキシンが170キログラム以上も含まれていた。この恐怖の化学物質は数百万人とも言われる人々の肉体を、土壌や水を汚染していった。

二重胎児だったあのドクちゃんは今年24歳。病院スタッフとして
今も生まれ続ける障害児のために働いている。
ホーチミン市ツーズー病院にて)

あれから30年経った今も、枯れ葉剤を浴びた人々の子供に先天的障害児が
続出、さらに食物連鎖によって汚染を免れた人々にも拡大しつつある。
番組ではベトナムアメリカの今を緊急取材。これまでザ・スクープが取材してきた膨大なVTRも交えて、恐怖の実態を徹底検証する。
あれから30年・・・ベトナム戦争は今も終わっていなかったのである!


第二部 イラクベトナムの悪夢再び!?
 〜検証!恐怖の劣化ウラン弾

ベトナム戦争から16年、「枯れ葉剤の悲劇」はイラクを舞台に繰り返された。
新たな環境汚染の主役は放射性廃棄物から作られた劣化ウラン弾である。
この「もうひとつの核兵器」は、1991年の湾岸戦争で約95万発投下され、
約320トンもの放射性廃棄物イラク全土にばらまかれた。


1995年頃から、イラクには小児ガンや白血病の子供たちが続出。
一方、戦争に参加したアメリカ兵43万人も被爆し、「湾岸症候群」に苦しむ
帰還兵は約15万人。終戦後に生まれた湾岸ベイビーの先天的障害率は67%に達すると言われる。しかし、米国政府は劣化ウラン弾の影響を一貫して否定、2003年のイラク戦争でも国際的非難の中、躊躇なく使用に踏み切った。

イラク被爆したアメリカ兵ダレン・マシューの赤ちゃんは、先天的に右手が欠損していた。

現地調査した慶応大学・藤田祐幸助教授によれば「イラク全土が永久に放射能に汚染され、もはや人が住める状態ではない」という。もちろん、自衛隊が駐留するサマワでも高濃度の汚染が確認されている。そして、去年2月、サマワで復興任務に就いていた米兵たちの尿から劣化ウランが検出された。
被爆症に苦しむ帰還兵は言う。「政府は真実を隠している。サマワ全体に放射能の砂埃が舞っていて、自衛隊員がそれを吸わずに生活することは不可能だ。」

劣化ウラン弾を使用した戦争(劣化ウラン半減期は45億年)
1991年 湾岸戦争  (ジョージ・ブッシュ [1989~1993])
  95万発(320トン)の劣化ウラン弾を使用
1995年 ボスニア戦争(ジョージ・ブッシュ [1989~1993])
1999年 コソボ紛争 (ビル・クリントン [1993~2001])
2001~2002年 アフガン戦争(ジョージ・W・ブッシュ[2001~ ])
2003年 イラク戦争ジョージ・W・ブッシュ[2001~ ])
  湾岸戦争時の5倍の劣化ウラン弾を使用


ザ・スクープ・スペシャル

2004▼

■3月10日【「史上最大の詐欺横領事件」を誰が捜査できるのか?】
■3月10日【わるいのは えらいひとだけ・・・】

2003▼

■5月18日【取材現場から〜疑惑の乳ガン名医を追って ※後半に「リピーター医師を取材して」(ディレクター 田中伸夫)があります】


2002▼

■9月21日放送【仙台点滴事件第7弾】
■9月12日放送【ロザール事件の真相〜裁判は全て正しいと言えるか・ある事件をきっかけに〜】
■8月31日放送【予見されていた9/11テロ〜検証・アメリカ政府のウソに迫る】
■8月24日放送【多重債務からの再生】
■8月17日放送【総力検証!小泉改革は幻想なのか】
■8月10日放送【誤認逮捕〜386日の闘い】
■8月 3日放送【検察の裏金疑惑 第3弾 】
■7月27日放送【本拠地・長岡で決定的証言を聞いた】
■7月20日放送【難民のことを知ってください】
■7月13日放送【夢の万能細胞が医療の未来をかえる】
■7月6日放送【放送を終えて】
■6月29日放送【桶川ストーカー殺人事件取材から〜裁判報道のむずかしさ】
■6月22日放送【ネットオークションにおけるトラブルの対応に思う】
■6月15日放送【ありのまま、を伝える重要性】
■6月 1日放送【実名告発〜4人目の内部告発者がいた〜】
■5月25日放送【韓国取材日記】
■5月18日放送【もう一つの集団暴行事件】
■5月11日放送【ワイドショーをなめてはいけない】
■5月 4日放送【日本は外国人を"受け入れる”だけの国でしょうか 】
■4月27日放送【彼は私たちに何を伝えようとしたのか】
■4月25日放送【もうすぐだ!永田町で何かが壊れ始めているゾ】
■4月13日放送【保土ヶ谷事件第二弾〜こんなことがあっていいのだろうか・・・】
■4月 6日放送【多重債務者を狙うヤミ金の実態】
■3月30日放送【「メディア規制三法案」は大げさに騒げ!】
■3月16日放送【指紋の謎〜45万円の窃盗事件 無罪判決まで957日】
■3月 9日放送【「政と官」考】
■3月 2日放送【偽1万円札「和D−52号」】
■2月23日放送【ムネオハウスを無駄にしないために〜いま政治がなすべきこと〜】
■2月16日放送【仙台点滴事件第6弾〜証言の重みを問う】
■2月 9日放送【保土ヶ谷事件〜“警察のシナリオ”はあったのか】
■2月 2日放送【この空しさは一体何だ!?〜『真紀子』を消費してきたテレビの内側からのつぶやき〜】
■ 1月26日 【道の駅はこのままでいいのか?】
■ 1月19日放送【現代科学が解明した23年前の冤罪事件のからくり〜キャンディキャンディの鞄が物語る事件の真実】
■ 1月12日放送【人の厚生労働省 家畜の農水省!?】
■ 1月 1日 【日本初!番組まるごとインターネット配信てんまつ記】
■12月22日放送【放送を終えて】
■12月15日放送【事件はあったのか、なかったのか】
■12月 8日放送【21世紀大失業時代】
■12月 1日放送【小泉改革は本物か?道路公団決着劇の裏に何が】
■11月24日放送【文明の衝突!? 】
■11月17日放送【日産自動車労働組合の村山支部委員長インタビュー】
■11月10日放送【テロと日本】
■11月 6日 【「Show the flag」その後】
■11月 3日放送【 何が”真実”なのか? 〜テロ事件とメディア〜】
■10月27日放送【 「石原慎太郎vsシングル族 結婚しない男と女のホンネ」】
■10月20日放送【「テロ対応策を作った5人」を取材して】
■10月13日放送【アメリカのアフガニスタン空爆が始まった】
■10月 6日放送【今、伝えるべきこと】