広瀬 弘忠(教授)  

HIROSE - HIROTADA   大学院心理学専攻主任
専門分野 :社会心理学
研究領域 :災害時の人間行動(パニック、群衆行動)、防災行動、災害による心的外傷後のストレス障害(PTSD)、災害や事故、環境、AIDS,SARSなどの感染症流行病などに対するリスク認知など、さまざまな自然・社会的なリスクがわれわれの行動や心理とかかわる領域を研究対象としている。

人はなぜ逃げおくれるのか

 地震や洪水、火災などの災害に遭遇した時、身をまもるために素早く行動できる人間は驚くほど少ない。
 現代人は安全に慣れてしまった結果、知らず知らずのうちに危険に対して鈍感になり、予期せぬ事態に対処できなくなっている。
 来るべき大地震のみならず、テロや未知の感染症など、新しい災害との遭遇も予想される今世紀。
 本書では災害時の人間心理に焦点をあて、危険な状況下でとるべき避難行動について詳述する。
  プロローグ 古い「災害観」からの脱却を目指して
  第1章   災害と人間
  第2章   災害被害を左右するもの
  第3章   危険の予知と災害被害の相関
  第4章   「パニック」という神話
  第5章   生きのびるための条件
  第6章   災害現場で働く善意の力
  第7章   復活への道筋
  エピローグ 「天」と「人為」の挟間に生きる人間として

    バイアス:偏見、先入観
    正常性バイアス、同調性バイアス



広瀬 弘忠  東京女子大学文理学部教授
  1942年、東京都生まれ。東京大学文学部心理学科卒業。専攻、災害心理学
  著書に「エイズへの挑戦」「酸性化する地球」
  「生存のための災害学−自然・人間・文明」などがある

  基調提言