MsOffice互換ソフトは?

① OpenOffice.org http://ja.openoffice.org/
② StarSuite 7   http://www.sourcenext.com/starsuite/products/ 
③ EIOffice 2004  http://www.eio.jp/

その他は?

使用してみての感想は?
相互<office>互換性は?



[オープンオフィス登場]  http://ja.openoffice.org/intro/intro_01.html

[コピーレフトオープンソース]
 マイクロソフトは、パソコンの台頭に合わせて成長してきた企業です。
 でも、それ以前からコンピュータに関わってきた人たちがいました。
 主に大学の研究室でコンピュータを研究していた人たちです。
 この人たちが、初期のハッカーになりました。
 大学では、研究成果は無料で公開するのが基本です。
 論文を出版するからと言って、高額の閲覧料をとる研究者はいません。
 そんな事をしたら、自分の研究を誰も評価してくれないからです。

 これは、プログラムも同じでした。
 研究で作成したプログラムは、誰でも自由に利用できたのです。
 コピーするのも改造するのも自由でした。
 ほとんどの場合、ソースコードも付属していました。
 そうでないと、もしもプログラムが動かなかった場合に修正できないからです。
 ただし、これはコンピュータを使う人がごく少数だった時代の話です。

 でもパソコンの登場で、状況は一変しました。
 文書を書いたり、計算したり、ゲームをしたり
 、普通の人が、誰でも普通にパソコンを使う、そんな時代になったのです。

 マイクロソフトをはじめとする多くのソフトウェアメーカーが
 、パソコン用のプログラムを発売しました。
 このとき著作権を主張してソースコードを守りつつ
 、バイナリーコードだけを商品化して大もうけしました。
 どのくらい大儲けしたかというと
 、ビル・ゲイツさんが世界一の大金持ちになった事は、皆さんご存じのとおり。

 ハッカーの中には、これが気にくわない人がたくさんいました。
 ビル・ゲイツが大金持ちになった事ではありません。
 プログラムを自由にコピーできない事
 、そしてソースコードを見れない事が、彼らの流儀に反したのです。
 コンピュータが世の中に広まることは、彼らにとってもウレシイ事ですが、
 「ソースコードがなかったら、不具合があっても直せないし
 、もっと良い機能も追加できないじゃないか」という訳です。

 ここに、リチャード・ストールマンというハッカーが登場します。
 この世界では、知らない人はいないという存在です。
 ひげ面で、もじゃもじゃ頭で長髪で
 、サッカーの元日本代表・ラモス瑠偉選手を太っちょにした感じです。

 リチャードさんは考えました。
 「ソースコードを公開するコトは
 、コンピュータを使いやすくするために、とっても重要だ。
 でも、ソースコード著作権を放棄して、公開するだけじゃダメなんだ。
 そのソースコードを他の人が改造して、それに著作権を主張されたら
 、全部無駄になっちゃうじゃないか」

 そこでリチャードさんは、こんな作戦を思いつきました。

  プログラムを作ったら、ソースコードを公開する
  このソースコード著作権は放棄しない

  でも、改造したり配布するのは自由(Free)だヨ

  ただし改造したソースコードは、同じようにするコト!

 つまり改造版のソースコードも、同じように改造配布が自由で
 、「ただし改造したソースコード
 、同じようにするコト!」という条件を付けるのです。
 だから、この改造版の改造版も、同じ条件を付けなくてはいけません。
 それがずーっと続くのです。
 この作戦を、著作権(CopyRight:コピーライト)をもじって
 、コピーレフト(CopyLeft)と名付けました。
 Right(右)とLeft(左)をかけてるんですナ。
 でも、リチャードさんは大まじめです。
 これをGNUプロジェクトと名付けて
 、実際にこういうソフトをいくつも作り、それを支援する団体を結成しました。
 また、コピーレフトの定義を弁護士に読んでもらい、ちゃんとした法律文書にして
 、GNU パブリックライセンスとして公開しました。
 このライセンスは、GPLと呼ばれています。
  こんな作戦がうまく行くんでしょうか。
  実は、大成功をおさめたのです。

 例えば、Linux(リナックス)というプログラムがあります。
 これは、リーナス・トーバルズというフィンランドの大学院生(当時)が
 、インターネットで仲間を集めて開発したOSです。
 一般ユーザーはあまり使いませんが
 、コンピュータのプロフェッショナルの世界では、Windows以上に人気があります。
 そして、これもコピーレフトされたプログラムなのです。

 さらに、Linuxの開発の特徴は、インターネットを最大限に活用する事にありました。
 インターネットを利用して寄ってたかって開発すると
 、商用プログラムに負けない性能・品質のプログラムができると言われています。
 これが、ソースコードをインターネットでオープン(公開)にする
 、「オープンソース」という開発手法なのです。

 本当を言うと、「コピーレフトすること」=「オープンソース」ではありません。
 たくさんの人がこの点を誤解しています。
 私も、最初にこの解説を書いた時は、勘違いしていました。
 オープンソースでは、改造したソースコードを必ずしも公開する必要はありません。
 コピーレフト以前に
 、大学でソースコードを公開する時に使われていた使用条件を含んでいるのです。
 例えば、ある使用条件では、「改造自由ただし、著作権表示は残す事」となっています。 このライセンスは「BSDライセンス」と呼ばれて
 、今でも多くのソフトウェアで利用されています。
 Ver2.0では、この点を修正しました。



[オープンオフィスの意義]
 オープンオフィスも、この「オープンソース」で開発されています。
 だから、自由に利用できるのです。コピーも自由だし、無料で使えます。
 コピーレフトでは、改造されたソースコードコピーレフトしなくちゃなりません。
 つまりバージョンアップしても、やっぱり自由なのです。
 (具体的には、LGPL/SISSLというライセンスで公開されています。
 なお、SISSLの和訳もあります。これは法的には有効ではありませんが
 、参考になります)。
 なお自由とは言っても、配布にかかる実費やマニュアルの印刷代や
 、サポートなどは有料にしても良いことになっています。
 オープンソースでないプログラムと組み合わせて
 、有料プログラムを作ることも可能です。
 ソースネクストとサンが販売する有料版(StarSuite6.0)は、これにあたります。
 オープンオフィスは、元々ドイツのStarDivision社が販売していた、立派な製品でした。 このソフトウェアをアメリカのサンが買収して、オープンソースにしました。
 StarSuiteソースコードが同じなので、 オープンオフィスとは完全互換です。
 サポートが心配な人は、こっちを買う手もあるでしょう。

 とりあえずオープンオフィスがあれば、もうMSオフィスは不要です。
 マイクロソフトに高いお金を払って、バージョンアップする必要もありません。
 ユーザーは不正コピーに手を染めなくても済むのです。

 オープンオフィスを持ってない人に文書を渡す場合は
 、オープンオフィスごとコピーしちゃえば良いのです。
 近頃は、ハードディスクも大容量になったので
 、もうひとつ統合ソフトをインストールしても大した問題にはならないでしょう。

 また、Linux版も存在します。
 Linuxを使えば、Windowsそのものが不要になります。
 MSオフィスで作った文書は、Linux版のオープンオフィスで扱えば良いのです。
 Mac版もあるのですが、これはまだ開発途上なので、ちょっと使い物になりません。
 でも、これも遠からず追いついてくるでしょう。

 これからは、どんなパソコンでも同じオフィスソフトが使えるようになるのです。

[オープンオフィスへのフィードバック]
 コピーレフトオープンソースには、大事なポイントがもう一つあります。
 これが、ボランティアの運動だと言う点です。
 日本では、ボランティアと言うと
 、「赤い羽根共同募金」のようなモノを思い浮かべますが
 、英語の「Volunteer」は"自主的・自発的"に何かを実行する者という意味です。

 オープンソースのボランティアもこれと同じです。
 コンピュータに関する技術を持った人間が自主的に運動に参加して
 、もっとコンピュータを便利にしようとしているのです。

 こういう人たちにとって、コンピュータをいじることは
 、職業や趣味というよりも人格の一部です。
 別にお金をもらわなくたって、やってしまう事なのです。
 多分、ミュージシャンが音楽をやるのと同じです。
 大金持ちになったって、それをやめたりしないのです。

 オープンソース運動に参加している人たちは
 、もっとコンピュータを便利で面白いモノにしようと思っているだけです。
 そのために真面目にプログラムを作ります。
 だから、たかがバージョンアップで
 、ビル・ゲイツを世界一のお金持ちにする必要はないのです。

 とはいえ、こういう人たちもお金が不要な訳ではありません(笑)。
 コンピュータも電気代もインターネット接続料もお金がかかるし
 、ちょっとはご飯も食べなくちゃなりません。

 そんな訳で、オープンソースなプロジェクトでは
 、スポンサーになってくれる企業・寄付してくれる人を大募集しています。
 現在も、オープンオフィスのメインの開発チームはドイツにいて
 、サンが主なスポンサーとなって開発を続けています。

 日本では、OpenOffice.org日本ユーザー会がインターネットを使って
 、日本のユーザーのサポートを行っています。
 これは、2002年末に本家OpenOffice.orgの1プロジェクトになりました。
 こちらでは、活動を手伝ってくれる人を募集中。
 質問に答えたり、英文資料を翻訳したり、ドキュメントを書いたり
 、人手がいくらあっても足りません。

 オープンオフィスをはじめとするオープンソースのプロジェクトは
 、実際に使うユーザーからの声(フィードバック)によって育っていきます。
 こんな機能が欲しいというリクエストに応える事も、決して不可能ではありません。

 まずは、オープンオフィスを使ってみませんか。
 まだまだ使いにくいところはありますが
 、何年もしないウチに
 、ワープロソフトや表計算ソフトのスタンダードに育っていくと思います。
 というか、あなたに育てて欲しいのです。

 日頃、コンピュータを使っていて
 、「こんな機能は使えないよぉ」とか
 、「こんな機能があればなぁ」と思う事がありませんか。
 でもソフトウェアを開発していない私たちに、今までは
 、それを変えることが出来ませんでした。
 でも、オープンオフィスは違います。
 自分の関わったソフトウェアを、もっと良いモノに育てられるのです。
 こんなチャンスは滅多にありません。
 (特に、コンピュータの情報を紹介したり解説書を書いている同業者の皆様
 、あなたも何かしてみませんか)